コネクター接点復活
 このバイク19年目にして学びました。
 接点不良...、症状が出てからでは遅いんだって。
 古い車両はコネクターなどの接点を一度しっかり綺麗にしてみて!
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。
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インデックス
0. 不具合の症状
1. 主な接点
2. 接点をキレイにする
   2-1. 右サイドカバー下
   2-2. タンク下
   2-3. シート下
   2-4. 左サイドカバー下
   2-5. ヘッドライト周辺
   2-6. リアカバー下
   2-7. コントロールハウジング
3. 接触不良の主犯
4. 接点キレイにした結果...
5. まとめ:重要性
0. 不具合の症状
 不具合の症状:
 1. 始動不良。セルがなんか弱々しい。
 以前ほど始動性が良くない。バッテリー交換やプラグ交換で誤魔化していたが、最近はそれでも無理で…。
 追記:
 上記に関してはセルモーターの不具合が主因と思われる。
 セルモーターの分解整備 を。
 2. シフト操作後すぐの加速で軽くドン付き、わずかにラグる。
 操作が雑なだけかと思って神経を使ってラグの無い加速を意識してました。
 今思えば走る気持ち良さがだいぶ削がれていたな。
 3. まれに調子良い時もある。
 基本ずっと煮え切らない感じなんだけど、たまーに、しかも急にびっくりするほど調子良く走る。
 エンジンも普通に掛かるし、つか、何だこの加速力は…。これが本来の力?
 調子よくなったり、急に悪くなったり…、
これもう、どっかの接点不良でしょ。
1. 主な接点
 案外すくない。ギボシ端子やコネクタだけなら全部で10数か所か?
 面倒ならひとまずケアした記憶の無い場所を攻めよう。
 (!)マークの所、要注意ポイント
 レギュレーター、オルターネータのコネクタあり。電気の上流で大きめの電流が流れるわりに部品精度が粗いぞ。(後述)
2. 接点をキレイにする
2-1. 右サイドカバー下
 では作業。右サイドカバーの下。
 上のコネクタは重要箇所。発電機からの線上にある。目にする機会はあったがほとんどスルーしてきた。
 コネクタの爪を押し込みながら引っ張って外す。
オス・メス両端子にKUREの接点復活スプレーをぷしゅー!
 うーん、汚れがひどい。
端子をコネクタから抜き取ってキレイにみがきました。
・コネクターから端子を抜くには
 コネクタに戻すときにはまた"返し"を出して端子をコネクターに押し込めばOK。

・端子除去ツール
突っ込んで返しを無効化するツール。
 レギュレータも重要。コネクタを外して接点復活スプレーしました。
 レギュレータの後ろにもリアブレーキのコネクタが隠れてます。
 おっと、奥にまだコネクタあったわ。
2-2. タンク下
 こちらはタンク下。
 スパークに関わる重要箇所と言う意識があるからケアする機会は結構あるね。
 車体アース部分はボルトを軽く緩めてスプレー。 イグニッションコイルの平型端子は引っ張って外したらスプレー。
 タンク下、右側のコネクタ、イグニッションコイルへ向かう線上にある。これも重要箇所だから以前スプレーしてるな。
 状態はひどくないので接点復活スプレーを噴射、
コネクターを抜き差しして接点をこすることで綺麗にしておく。
 タンク下、左側。 何の線か良く分からないけどちゃんとスプレーします。
 コネクタは全部で3つくらいあったかな。奥にラジエーターファンのコネクタが隠れてます。
 ギボシ端子はゴムカバーがあるけど基本的に引っ張っれば外れる。同様にスプレー。
 タンク下、エアクリBOX後部のスターターリレー。
 バッテリー+からメインヒューズを経て各部へ向かう大元であり、セルモーターの直接のスイッチ。
 重要箇所なので防塵カバーがある。破けている場合はテープで要補修。
 ピンクのコネクタは両サイドの爪を起こして引っ張れば外れる。同様にスプレー。
2-3. シート下
 こちらはシート下。
 バッテリーの端子なんかはバッテリー交換のついでにケアする機会のある場所ですね。念のためスプレーしとこ。
 ジャンクションボックスのコネクタはと言うと、風雨とはほぼ無縁でまっさら綺麗なまま。綺麗なうちにケアしよう。
 ジャンクションボックス内のヒューズは忘れがち?
 ジャンクションボックスのフタを開けるとヒューズがあります。ヒューズを抜いてここの接点にスプレー。
 バッテリー端子もきれいに。 コードを引っ張り出してやや粗目から軽く研磨し、スプレー。
2-4. 左サイドカバー下
 こちらは左サイドカバー下。
 イグナイター、ほったらかしにしがち。だけどカバーに覆われているから接点は綺麗なままだ。
 スタンドスイッチのギボシ端子が2つほどあるので状態を維持するためスプレー。
2-5. ヘッドライト周辺
 ヘッドライトボディの中。
 雨や埃が入る箇所。いくつかのギボシとコネクターがある。
 一番大きな6pinコネクタのW線(白)、BR線(茶)はイグニッション回路の線だから重要。端子は磨いておこう。
 W線とBR線の先はイグニッションキー。重要だが汚れやすい接点。要分解、清掃。
→ イグニッションスイッチ分解・清掃
2-6. リアカバー下
 リアカバー (シートカバー)の下。
 あまりケアする機会はないけど比較的よごれにくい。
 ウィンカーのギボシ端子、テールランプのコネクタ、始動不良とは無関係だろうがついでにケア。
2-7. コントロールハウジング
 こちらは右側コントロールハウジング。(ハンドル横、スイッチ類のあるところ)
 始動性に関わる所。上の接点は汚れにくいが、スイッチの接点が少し汚れやすい。
 ハウジング前方のネジ2本を外しパカッと開ける。
 開けた右ハウジング内に2本のネジ。 プラスドライバーで外す。一方はちょっと小さいドライバーで。
 小さなマイナスドライバーを突っ込んで側面の爪をクリア。 ハウジングをさらに開ける。
 スイッチを外すと内部の接点を確認できる。
 ポチっとしてる部分だけじゃなく、バネ、金属板も通電するので錆び、汚れがないか確認。
 汚れていたスタータースイッチの接点はピカールも使って綺麗に。 ま、汚れ落とすだけで十分だけど。
 写真には写ってないけど、バネもキレイに。
 つぎに左側コントロールハウジング。
 コネクタがある。ここは汚れやすい。
 下部にはスターターロックアウトスイッチ(クラッチスイッチとも)。
 「ギアNなのになぜかセル回んない、クラッチ握りだすと回る」なんて場合は内部の接点が擦り減ってると思う。
 ネジ2本外せば取れるし簡単に開けれるのでケアしておこう。 または1300円でまるごと部品交換。
 関連:スターターロックアウトスイッチ分解・清掃
 これで大体の接点清掃は完了。
 インジケーターカバー内やメーター内にも端子があったと思いますが以前やってるし、腐食しにくい部分なので省きます。
3. 接触不良の主犯
 至る所に抵抗はあって、それらは合成されるわけで、「どこが悪かった...」ってのはハッキリしないけど、
 不調の犯人は、重要個所、なおかつ最も汚れていた "オルタネータからの線上にあるコネクタ"、だろう。
 こちらは別日。レギュレーターの線が焼けてる。
 清掃中、端子がグラグラ、と思ったら銅線ちぎれそう。そのため抵抗が増え発熱し、被膜は焼けて変色/硬化していた。
 修理は同径以上の線を用意し、線ごと交換が確実。
! 上の2箇所、要注意ポイント
変色や硬化が異常のサイン。
・コスト重視、250ccゆえの品質要求の低さ
→ 固定の不足/位置のズレ。応力が芯線に集中しダメージ、高抵抗で発熱に至る。
2.非防水カプラー(コネクタ)
→ 濡れて酸化しやすく、またゴミも噛みやすい。
4. 接点キレイにした結果...
 接点清掃の結果、
・出足からよりパワフル。
・勝手にどこまでも伸びていくような加速。
・不快なドン付きは消えてシームレス。
・より雑味の抑えられた気持ちいいエンジン音。
・ハイレスポンス。急加速も意のまま。
 より力強いのに、より扱いやすい。 バイクが直感のままに操れる。
 走っている間ずーーっと気持ちいいっ!
これが本来あるべき姿か…。
5. まとめ:重要性
2. バルブクリアランス調整
3. キャブOH
4. 接点の清掃
 ▲ 難易度で言えば「接点の清掃」だけ仲間外れ、でも重要度はすべて同じ。
 また、これらは整備を怠ると徐々に性能を落としていくため、不具合が表面化するまで異常であることに気づかない恐ろしさも共通してます。
 それぞれのバイクに対する影響度は違うけれど、どれか一つ欠けるだけでもスポーツバイクとしての性能、楽しさは絶対的に削がれます。
 コネクタなどの接点を整備した覚えのない方、いつやったか覚えてない方、不調が出てからでは損! 絶対やろう!

・接点復活スプレー
接点の汚れを除去、皮膜を形成する。
kureならコンタクトスプレーでOK。
関連:
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