『始動改善 点火系昇圧チューン』 KAWASAKIバリオスのメンテナンス


始動改善 点火系昇圧チューン



エンジンの始動性わるい、温まると掛からない。

昇圧コンバーターで電圧をアップ↑↑、

無理やり電力を押し込んで始動性をどうにかする。





※ IGコイル = イグニッションコイル
※イグニッション = 点火
※ 整備はサービスマニュアルに頼らずやっているので参考程度にご覧ください。


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インデックス

1. 始動不良を昇圧で乗り切る
2. ふたつの点火系チューン
   2-1. バッ直チューン
   2-2. 昇圧チューン
3. 安く作っちゃお
   3-1. DC-DC昇圧コンバーター
   3-2. その他もほとんどアリエクで揃う
   3-3. 放熱強化カスタム
   3-4. 位置決め、配線しました
4. 昇圧の効果を確かめる
5. 直したらバッ直チューンに



1. 始動不良を昇圧で乗り切る



【原因: 電気】
 始動性ずっと悪い。キャブはもちろんのこと重要箇所を点々とチェックはしてるのだが-、

 冷静に考えると押し掛けでは始動するから『原因は電気の弱さ』っぽいな。

 ↓

【対処: 昇圧】
 原因が電気となると点検箇所が多くてだるい...

 そんな時は、
いったん『昇圧チューン』で乗り切っちゃおう。

 これ無理やり電気を流す力技。その場しのぎ。






2. ふたつの点火系チューン


2-1. バッ直チューン



まずは、 『バッ直チューン』とその意義について理解しておこう。


➤ 純正イグニッション回路は弱い
 純正はバッテリーからIGコイルまでの回路に非防水の接点が多く、手動スイッチも含むため、経年劣化によって高抵抗となり電圧ロスが生じやすい。
 これがエンジンの燃焼に負の影響を及ぼす。

そこで↓

➤ バッ直 = 最適化
 燃焼に関わる重要箇所(バッテリーとIGコイル)を直通とし、無駄を省く。
 抵抗増のリスクを最小限に抑えた、正常な車両にこそおすすめのチューン。


IGコイル1次側の重要性
 IGコイル1次側は電流が流れている間にパワーを蓄える。
 抵抗が大きいと十分にパワーを蓄えられず弱いスパークとなり、始動性や燃料効率が低下する。


リレーを使う理由
 リレー無しでも動作するが、純正イグニッション回路上にある"点火を断つ安全装置"を有効に保つため使用する。
 具体的にはキルスイッチ、車種によってはその他。




2-2. 昇圧チューン



今回施す『昇圧チューン』について。


➤ 最適化+パワーアップ
 バッ直に昇圧器を追加し、積極的に効果を高めたチューン。
 より高い電圧を安定的にIGコイルに供給、スパークを強化する。
 ただし、'回路の適正な抵抗値' と '1次側が強化されたIGコイル' が前提。

今回は…↓

➤ 高抵抗 + 昇圧 = ごまかし
 劣化で電流が流れにくいなら高圧で押し込んでやろう、という強引な手法。
 本当は整備がベスト。電流は、電圧を高めるより抵抗を落とす方が遥かに効率よく流れるから。



リレーの位置
 昇圧コンバーターは使用しない時も入力側で待機電力を消費する。これを防ぐためリレーは入力側に設置する。




3. 安く作っちゃお



バッ直、昇圧チューンは完成品が1万円前後で売られていたりしますが個人制作ゆえ安定供給されておらず、基本SOLD OUT。
どうせなら自前で安く用意して、工作も楽しんじゃいましょう。

エーモン【電装DIYの基礎知識】(外部)



3-1. DC-DC 昇圧コンバーター



aliexpress(アリエク)で昇圧15V(実測15.40V)、最大出力15Aのコンバーターをかなり安くゲット。

入力電圧の下限は10Vらしい。セルモーターを回すとバッテリー電圧は降下する。10Vは際どいか?


出力電圧(V) <=16V
 昇圧チューンの上限は16V程度。
 16Vを超える場合は流れる電流を計算しないと電子機器に破損リスクあり。


最大出力アンペア(A) >=15A
 中国製の安価品では、連続使用は最大出力Aの50~70%以内に抑えるよう推奨される。
 IGコイル1次側抵抗の規定値は2.3~3.5Ωで、流れる電流はおよそ4~7A。
 よって、十分に安全なのは最大出力15A以上となる。






・DC-DC昇圧コンバーター(12V→15V or 16V)

最大Aは15A、最低でも10Aの物を。
ちなみにtemuで探しても無駄。




3-2. その他もほとんどアリエクで揃う



その他もほとんどAliexpressでついでに揃えました。

・リレー
12Vで動作するもの。定格Aは最低でも10A以上。

・シリコンケーブル(14AWG)
耐熱性の高いケーブル。赤黒それぞれ3mあれば余る。太いほど低抵抗だが14AWG (2.0sq)で十分すぎる。

・平型、丸型端子
リレー、バッテリーへの接続に使用する端子。
中国のは安いから薄っぺらい。エーモンの端子の方が安心感あり。

・ヒューズ/ホルダー
トラブル時、回路を断つブレーカー。
10Aヒューズが主流。今回はギリギリを攻めて7.5A。


このほかに、電工ペンチ、ケーブル同士をつなぐスプライス端子、自己融着テープなど




・自動車用リレー

DC12Vで、定格10A(120W)以上のもの。
4または5pin(端子が4または5つ)の物。



3-3. 放熱強化



コンバーターは熱々になると動作、寿命に影響する。アルミフィン追加で放熱強化しときますか。

最大出力Aが低め、密閉空間への設置など、シビアな場合ほど必要。とにかく放熱性が良いに越したことないから。

(何となくで貼ってしまったがフィンにはベストな向きがある。風が通り抜けるならエンジンのように横向き、否なら熱対流に沿った縦向き。)



・アルミフィン

熱伝導テープ付きが便利で良い。
テープ単体を買っても一生使いきれん。





3-4. 位置決め、配線しました



配線するにもまず昇圧コンバーターとリレーの位置を決めないと。

出来れば風通しのある所…、左のリアカウルの下に空間あり、ここにしよう。

アルミ板でステーを作って結束バンドで固定。たぶんステーなし 、結束バンドだけでも固定できる。




リレーはサイドカバーの下に決定。 汎用ステーをレギュレーターに共締め、差し込む。




自作の回路図と実車を見ながら大まかに線を切り、電工ペンチで端子をカシメ、接続...

アースはもちろん一つの端子にまとめ、バッテリーマイナス接続でOK。

ゴッチャゴチャになる配線もテープで要所を束ねるとスッキリ!





4. 昇圧の効果を確かめる



キーONで昇圧され、IGコイル1次側+に接続する端子には、
『15.38V』 (昇圧前12.15V)。

実際はバッテリー(-)へ戻る純正回路もあるから、電圧はここから更に幾らか低下する。





点火系の昇圧の結果...


・温感始動性 → 復活!
走行後のエンジン熱々でもすぐ再始動。当たり前のことに感謝。


・冷間始動性 → いまいち
セルモーター始動→バッテリー電圧降下→昇圧器への入力電圧足りず→昇圧せず出力→ただのバッ直状態。
バッテリーの弱さ、IGコイル1次側マイナス回路の抵抗の高さなど、足を引っ張ている何かがありそう。


・走り → 良い!
レスポンス、伸びともに良く爽快。
言わば劣化プラグを新品に変えた時のあれ。パワーアップではなく正常に近づいたってこと。


・昇圧コンバーターの熱 → 心配なし!
おそらく本体40℃ほど。(環境:気温30℃超、走行1時間超)





5. 直したらバッ直チューンに




たとえごまかしでも始動に気を使わなくて良いのは楽。

結局は整備するのが一番なのでやりましょう。



(IGコイルマイナス側も重要)



ハーネスほどいて総点検。


・IGコイルのマイナス側を太線化で低抵抗に。端子も交換。   (点火回路なので重要)

あらゆる端子を外して清掃、場合によっては線ごと交換。    (純正点火回路めちゃ汚れてた)


これで本当の復活! むしろ新車より太線だから低抵抗で高効率。




抵抗値が正常になったら昇圧はムダ(※)。バッ直チューンに手直しを。

(※.回路が正常なら純正IGコイルは十分に飽和(パワーMAX)に達するはず。昇圧で余分に電流を押し込んでも熱になるだけ。)











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